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2016/09/30

ホーボーケンの列車事故について思うこと(ニュージャージー州在住・一人の日本人の視点)


こんにちは。米国時間の昨日朝、ホーボーケン(Hoboken)で痛ましい電車の事故が起きました。
亡くなられた方、負傷された方、現場に居合わせた方には、お気の毒としか言いようがありません。
Hobokenの駅舎を1年前に撮影したもの
遅きに失した感はありますが、ニュージャージー州に住む一人の日本人として、今回の列車事故について思ったことを書き記しておきたいと思います。

なお、私の意見は専門家ではない個人のブログ記事にすぎません

詳しい背景について考察をされている記事は、NJ州在住の冷泉 彰彦さんの記事「ニューヨーク近郊の列車事故はなぜ起きたか」が詳しいと思います。


日本でも大きく報道された?

今回の事故について、まず、日本の知人・友人から複数のメッセージをもらったことが、一番驚きました。というか、日本にいる友人からの連絡で事故を知ったくらい。。。

恐らく事故の規模が大きかったこと、また、Hobokenがニューヨーク近郊だから大きく報道されたのでしょうか?

そして、当ブログのHobokenに関する記事にもたくさんのアクセスが集まり、関心の高さをうかがい知ることができました。事故のこと何にも書いてなかったんですがね。まぁ、普通は分からんよね、ホーボーケンって。。

うーん。マスメディアの力ってすごいですね。

ちなみに、私自身はHobokenの結構近くに住んでいて、あそこはたまに訪れます。事故のあった駅へ乗り入れしている鉄道の最寄り駅にも住んでいます。電車で10分くらい。だから結構今回の事故は他人ごとではないのです。


Hobokenってどんなところ?

昔の記事に少し書いたかもしれませんし、日本で報道されているかもしれませんが。

ニューヨーク・マンハッタン島の西側にあるのがホーボーケン市です。

簡単に言うと、マンハッタンへ通勤する人が多く住んでいるベッドタウンです。電車はPATHという電車、またはフェリーで通勤します。10分くらいだし、近いです。

そして、ニュージャージー州では珍しく、歩いて飲み歩いたり食事したりできる素敵な街です。独身者、またはDINKSの方が多く住むところです。

人種としては白人の方が多いんじゃないかな。ホーボーケン自体に日本人はあんまり住んでいないと思います、家賃が高いし結構ゴミゴミしてますからね。。。

ただ、日本人が多く住む地域からさほど離れてはいないので、日本人の方があの駅を通勤に使っていたとしてもおかしくはないと思います。そうそう、今回の事故で、日本人男性が1人負傷されたとのことで本当にお気の毒です。。

なお、事故のあったHoboken Terminalは、前述のPATH、路面電車のHudson Bergen Light Rail、そして、今回事故が起きてしまったNJ Transitという3つのタイプの電車が乗り入れしています。

朝9時ごろに事故は起きましたが、おそらく通勤客でごった返していたものと思われます。

事故の背景は労働環境の悪さ?

NJ Transitは鉄道会社のことです。私もよく利用します。冒頭に書いた冷泉さんの記事にもある通り、NJ Transitは労働組合の力が強いということを私も感じます。

半年前にも「ストライキを起こして全線止める」という通知があってひやひやしたものです。結局会社側が折れ、ストライキは2日前くらいに回避されましたが。

その通知が公に出る1週間くらい前、NJ Transitに乗っていた時、ある車掌さんと乗客の会話の一部が聞こえてきたのです。。

覚えてる限りで書くと、

車掌 「来週、マジでやるから気を付けてね」
乗客 「え?ほんと?なんで?」
車掌 「労働環境が悪すぎる。福利厚生、特に保険の払いもよくないし・・・以下略」
乗客 「あ、ほんと?それは仕方ないかもね。。。」
車掌 「ほんとにやるからね」
乗客 「めっちゃ困るけど事情が事情だからね。。気を付けるわ」

って感じでした。

その時は「何をやるんだろう?」って思ってたんですが、ストライキだと分かるまでには時間はかかりませんでした。


昨日の事故についてアメリカのテレビが「テロではない」と言った瞬間、だからこそ、この時の会話が思い出されました。

まぁ、労働者側から見るとNJ Transitはもしかしたら「ブラック企業」ってことなのかもしれません。

っていうか、この件でまたUnion(労働組合)がストライキするぞ、とか言い出したら困る(というのが個人的な思い)。


アメリカの政治家のメディア対応の早さ

非常事態の時、アメリカの政治家のメディア対応の早さはすごいなぁといつも思います。

今回の事故に関してもそれは同様で。

ニュージャージー州の州知事・クリスティ氏は、事故当時ワシントンD.C.(車で4時間くらい南)にいたようですが、同日午後2時には記者会見をしていました。隣の州のニューヨーク州の州知事・クオモ氏も一緒に。

クリスティはアメリカ大統領選にも出ていた有力政治家ですが、スキャンダルもあります。
でも、彼の危機管理というか緊急時のメディア対応については、素直にすごいと思います。

「クオモ知事と私とでタッグを組んで原因究明・改善に全力を尽くす。2つの州の知事が同じ目線で動くことは未だかつてないことだ。」
「犠牲者にお悔やみを申し上げるとともに、その場にいて救助に当たった警察消防関係者・一般の方の労をねぎらいたい」
などなど。

ああ、日本語にしたらあんまり良さが伝わりませんけど。
彼が結構強い口調で言い切るので、結構安心感はありますね。メディア対応にもかなり慣れているというか。

ただ、実際のところ、原因がちゃんと究明されるかも、改善されるかもよくわかりません。アメリカ社会は日本に比べると失敗に寛容なので。

とはいえ、今回の事件はかなり影響が大きいので、原因究明だけはせめてちゃんとしていただきたいなぁ、と思います。報道によると安全装置がついていなかったとかなんとか。。。


そんな電車を日々使わなきゃならない立場の私は、純粋に怖いです。うん、とっても怖いです。


以上、つらつらとホーボーケンの列車事故について思うことを書き記してみました。


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